社会保険料の負担増、会社員に偏る

社会保険料の負担増加は何故起きてしまったのか

 

社会保険料はなぜ増えたか

2月25日の日経新聞に税制改正関連法案に関する記事がございましたので、詳細をご紹介いたします。

会社員の給与所得控除縮小などを柱とする2018年度税制改正関連法案の国会審議が始まりました。
子育て世帯を除く高額所得者が増税となる方針ですが、実はここ10年、社会保険料の負担増加などが相次ぎ、会社員の可処分所得が減少しているのです。
社会保険料の負担増加が話題になっている中、日本経済を活性化させるには、消費者でもある会社員への過度な税負担を避け、稼ぐ意欲を高めることは欠かせません。
「過去20年間の日本の可処分所得の伸びはほぼゼロ」。
前日銀副総裁の山口広秀・日興リサーチセンター理事長らが公表したリポートが話題となっています。
1990年代後半から企業の賃金カットが続き、デフレを引き起こす一因になったとしています。
可処分所得とは、個人の家計収入から税金や医療・年金といった社会保険料などの義務的な経費を差し引いたもので、教育費や食費・通信費・遊興費などの生活費を見る重要な目安です。
賃金デフレが続いた一方で、高齢化に伴う社会保険料の負担増加が長期にわたってこの可処分所得を圧迫し続けています。

可処分所得

社会保険料の負担増加は具体的にどれくらい上がったのか

税理士の伊藤謙信氏が、夫婦に子ども1人の3人家族の世帯を対象に、2017年の可処分所得が2007年からどう変わったかを当時の様々な制度をもとに試算しました(上図参照)。
年収500万円世帯では約12万円減、年収1500万円世帯で約33万円減という結果が出た。いずれもこの10年で3%前後減っています。
この背景には、厚生年金保険料や健康保険組合に支払う医療保険料の上昇があると考えられています。
例えば、年収1000万円世帯の社会保険料は約27万円増えました。
個人所得税は、社会保険料が増えた分を控除して税負担を軽減する仕組みがあり、年収500万円と1000万円の世帯では実質的な負担がやや減りましたが、社会保険料の負担増加が大きくのしかかります。
年収1500万円となると、税金と社会保険料の負担増加が容赦なく襲います。
これからも会社員の負担増は五月雨式に続きます。

① 社会保険料・・・政府は18年度予算案に医師らの報酬引き上げを盛り込み、このコストをまかなうため個人の社会保険料の負担増加することになります。
② 配偶者控除・・・今年から専業主婦世帯に適用する配偶者控除は、一部の世帯で縮小・廃止になります。その分、年収1500万円の専業主婦世帯では、負担が約15万円増えることになります。

さらに18年度税制改正では、給与所得控除の縮小などに伴い、子育てや介護がない年収1000万円世帯では2020年から約4.5万円の増税となります。
超高齢化社会において社会保障費の負担増加は不可避ですが、政策立案においては所得階層ごとの公平性と納得感が重要です。

所得税の実際の負担率は所得1億円を境に落ちていく

例えば、給与よりも株式売却益や配当収入などの金融所得が大きな比重を占める、所得1億円を超えるラインでは、実質的な所得税の負担率が低くなります(上図参照)。フランスでは金融所得の税率は15.5%から60.5%と大きな幅がありますが、日本はこの税率が一律20%と、先進国の中ではやや低めとなっています。

その一方で、低所得者の保障も手厚い傾向にあります。

低所得世帯の手取り額

夫婦プラス子ども2人の場合、年収350万円程度までは、働いても働かなくても可処分所得に大きな変動がない仕組みになっています(上図参照)。生活保護制度から、給与収入が基準に満たない分のお金が補填されるからです。
その手厚さゆえに、働ける人の就労意欲をそいでいる可能性も否定できません。
フランスでも「連帯手当」と呼ばれる生活保護制度に近い制度がありますが、給与収入が増えれば増えるほど可処分所得も上昇し、個人の就労を後押しする仕組みが出来ています。
日本での課税最低限額は、夫婦と子ども2人の4人家族で285万円と、欧米とそれほど大きな差はありません。
ですが、その適用税率を見てみると、日本全体の約6割が税率5%におさまるのです。
英国では税率10%超から20%以下の人が8割に上るなど、万遍なく課税される仕組みが作られています。
日本は、「取れるところから取る」という小手先の税制改正に陥りがちです。
2018年春季労使交渉が本格化し、企業の賃上げが焦点になっていますが、保険料や増税で会社員の実質的な所得・可処分所得はますます伸びづらくなっています。国会論戦には、保険料や税も含めた全体の負担構造を見据えた改革議論を望みたいところです。

社会保険料の負担増加と今後の対策

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