高齢化で受給者増 上がり続ける介護保険料

前回の記事では、国民が負担する社会保険料の割合が増えているというテーマで解説を致しました。

保険料の負担増加 給与水準の3分の1に

今回は、その中のひとつ「介護保険料」についてご紹介です。前回の記事にもあったように、少子高齢化の影響で国民が負担する保険料はますます増えると予測されています。中でも値上がりすると言われているのが、介護保険料です。健康保険組合連合会(健保連)の平均料率は、2007年度は1.101%でしたが、2019年度には1.573%と、12年間で約0.5ポイントも上昇しました。今後も料率の上昇は続き、2022年には2.0%に達するという推計も出ています。実際に支払う金額は、その料率の半分ではありますが、それでも負担が増えているという現実があるのです。

健康保険組合連合会の平均値より

介護保険料の上昇

介護保険料の計算方法

介護保険料は、”率”で定められているため、所得に応じて負担する金額が変動します。40~65歳未満の現役世代の会社員は、勤めている企業の健康保険ごとに保険料率が定められます。

先にもご紹介した保険料率の平均値である1.573%を出した健康保険組合連合会(健保連)は、大企業が加入しているものです。中小企業は協会けんぽに加入し、一律で料率を定めており、2020年4月以降は、健保連の平均より少し高い1.79%となっています。

会社員の介護保険料は、2017年度から段階的に導入されました。年間の給与などの報酬(標準報酬額)と賞与(標準賞与額)の合計を総報酬額とし、それに応じた金額を支払います。そのため、給与水準が高い人ほど総報酬額は増えるため、負担も大きくなるのです。また、国保の加入者に総報酬割は適用されません。

介護保険料の被保険者は40歳以上のため、40歳未満は介護保険料の支払いは発生しません。また、65歳以降は、保険料の徴収の仕組みや給付条件が変わるため、「第1号被保険者」といいます。40~65歳未満は「第2号被保険者」となります。

介護保険料

給付対象者の増加でどうなる

第2号被保険者(40歳~65歳未満)の給付対象者は、末期がんや脳血管疾患などの「特定疾病」により、介護が必要となった人に限られます。
第1号被保険者(65歳以上)は、介護サービスを利用することで段階ごとの給付を受ける事ができます。また、介護サービスは利用者の所得に応じて、かかった費用の1~3割は自己負担する仕組みになっています。第1号被保険者は、疾病に関係なく、主治医の意見などを元に、自治体から認定される介護や支援の必要度(要介護度状態区分)に応じ、要支援1~2と要介護1~5の全7段階に分けられます。要支援区分は、2005年までは1つの区分でしたが、翌年の2006年からは2区分に分かれています。

要支援と要介護の違いとしては、不活発な生活によって筋力低下や低栄養などに陥っている人(廃用症候群)が考えられます。ただし、そのような人でも疾病や外傷で心身の状態が不安定だったり、認知症が進行していたりすると、要介護となります。

高齢化が進むいま、介護保険料の給付額は増え続けています。2000年度には3兆2427億円でしたが、2018年度の給付額は、なんと3倍近い9兆6266億円に登りました。また、要介護と認定された人も当時の256万人から400万人増加の658万人に増加しました。以下の図は、要介護・要支援認定者の数と給付額のグラフです。

要介護支援者認定の数

※厚生労働省「介護保険事業報告」より。3月末時点です。

給付が増えるとその分徴収する金額も増えるでしょう。厚生年金には上限が定められていますが、介護保険料にはそれが無いため、どこまで値上がりが起こるかは予測ができません。しかしながら、介護保険は、社会人の三大社会保険の中でも最も新しい制度です。3年に1度の見直しがあるので、今後も効率的な運用をするために、どのような条件変更が発生するか注目です。

公的保険だけに頼らない方法

保障だけに頼るのは、安心とは言えません。なぜなら、公的保険だけで自分が求める全ての介護サービスを賄えるとは限らないからです。保険の恩恵を受けられるのは、上記に挙げた要介護・要支援の区分の中でも、規定内になる必要な支援のみです。より厚いサービスを求めるなら、上乗せ介護費が必要になります。

公的保険以外にどれだけの介護費用が必要になるのかは、しっかりと確認する必要があります。どんなサービスや施設があって、公的保険でどこまで賄えるのか、補てんはいくら必要になるのか。要介護となってしまう前に、しっかりと情報収集をして、家族とよく話し合っておきましょう。

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