格差拡大とコロナ禍の不景気を乗り越えるために

新型コロナウイルスが家計に及ぼす影響

コロナ禍の影響により、かつてないほどの不景気となりつつあります。収入が減ったのは、テレビで報道されている飲食業界やイベント業界だけではありません。企業からの雇止めや休業を迫られるなどして収入がすでに減ったり、これから大幅に減る見通しになっている人はどの業界にも多いのが現状です。このコロナ禍の不景気を乗り越えるためにはどのようにすればいいのでしょうか?そのためにまずは現在の状況について把握して不景気を乗り越える方法を考えていきましょう。

新型コロナウイルスはいつ終息するのか?

米ハーバード大学の専門家チームは14日、「パンデミック終息後に流行を再発させないためには、2022年まで外出制限や自粛などの規制措置を断続的に続ける必要がある」とする見解を科学誌『サイエンス』に発表しました。公衆衛生学の専門チームは、日常的な風邪を引き起こすベータコロナウイルス2種類について米国内の毎年の流行状況の分析を行いました。季節ごとにどう広がるか、免疫の持続期間などに関するデータなどをもとに新型コロナウイルスに感染した人が集団免疫を獲得して流行が抑えられるまでの期間を推計し、 その結果、パンデミックが終息した後に外出制限や自粛措置を1度だけで解除すれば、すぐに流行の第二波が発生すると予測しました。

再発の可能性を軽減するためには、社会的隔離措置を数カ月にわたって、2022年まで断続的に行う必要があるとしています。さらにこの研究によって、季節的な風邪の流行と異なり、新型コロナウイルスは年間を通じていつでも発生する可能性があることもわかりました。研究チームは「流行の封じ込めに成功したように見えても、2024年までに再発するおそれがある」と話しています。

実際のところ、この結果を受けて各国がコロナ禍に対してどのような対応をするのかはわかりません。2022年まで断続的に、現在のような外出規制が全世界で行われることは正直なところ考えにくいでしょう。しかしここで重要なのは、今後パンデミックが1次的に終息し経済が回復してきたとしても、現在のような不景気がまた訪れる可能性があるということです。2024年までにパンデミックが再発するとすれば、本当の意味で経済が安定するのは早くても2025年以降になるでしょう。

日本政府の対策

日本のコロナ禍に対する経済対策の目玉だった「減収世帯への30万円給付」に代わり、急きょ実施が決まった「1人10万円の一律給付」ですが、これにより必要な財源は約3倍に膨らみました。「大幅収入減の世帯に30万円支給」なら約4兆円で足りましたが、「日本国民全員に一律10万円支給」となると約12兆円の財源が必要になります。これを受け、コロナ禍に長期戦でさらなる対応を迫られた際の余力を心配する声も出ています。

そもそも「減収世帯への30万円給付」でかかる4兆円という額は、その全額を国債の発行でまかなうことになっていました。日本の1次補正予算は16兆8057億円でしたが、1人10万円の一律給付となると第1次補正予算を大きく組み替える必要性が出てきます。補正予算は週明けに審議入りしますが、日本政府与党はできるなら22日に成立させ、5月内に現金を支給したいとしています。しかしきちんと審議するなら、補正予算の成立は5月1日となり、その場合給付されるのは6月以降になるでしょう。

さらにコロナ禍が長期化する場合、「景気が回復するまで、一律1人当たり月額3万円ずつ支給」も考えているという国民民主党の玉木雄一郎代表は、すでに次のステップに進んでいるといいます。しかし、現金給付の対象などが変更されたことで必要になった8兆円超の新たな財源も、麻生氏は他の対策費を削って賄うことは「とてもできない」と指摘しており、日本は再び赤字国債の追加発行で費用を確保することになると予想されます。

そうなると、継続的に日本国民に現金を支給するには、赤字国債の追加発行を繰り返す必要があり、あまり現実的とは思えません。そもそもコロナ禍が長期化した場合、収入源が無くなる人も増えてくると考えられます。そういった人たちが果たして月に3万円の収入で生活をしてコロナ禍の不景気を乗り越えることが出来るのかというとそんなことはありません。そしてさらに格差拡大が広がっていくのです。やはり貯金を切り崩す必要があり、すぐに限界がきてしまうでしょう。

継続するコロナ危機に備えて家計を見直しましょう

コロナ禍の影響について、懸命に情報収集をしても不安ばかりを募らせていては意味がありません。実際に不景気を乗り越えるために行動しなければいけないのです。こうした状況のなかで私たちができることのなかに、家計を見直して支出を抑えるとともに、必要なら行政や金融機関の支援策を利用するという選択肢があります。

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家計が収入の大幅な減少に直面した時にするべきことは何か。「まずは冷静に、必要な支出を書き出すことから始めよう」とファイナンシャルプランナー(FP)の深田晶恵氏は助言します。住宅ローン、税金、保険料など主な支出をリストアップしていきましょう。その際に大事なのは、年前半、後半といった支出時期を把握することです。例えば、4月~6月は税金の支払いが多いです。子どもの進学を控えている家庭なら入学金など翌年の大きな支出にも目配りします。次に当面の収入や貯蓄でどの程度賄えるかを考えていきましょう。

支払いを削っても賄うのが難しいときは、支払いを猶予してもらうのが一案です。主な生命保険会社は、月払いなら通常1ヶ月の保険料払い込み猶予期間を申し出れば最長6ヶ月に延ばすことができます。この対策を行っている人は多く、日本生命保険では3月16日から4月上旬までに約1400件の申し出がありました。

住宅ローンに関しては、滞納する前に銀行に相談することが先決です。金融庁が住宅ローンの相談件数の報告を求めていることもあり、メガバンクなど各行は積極的に応じています。みずほ銀行では外出自粛のなか「まずは支店に相談の電話をしてほしい」と話しています。ソニー銀行は4月1日、ビデオ会議システムを使うオンラインの相談窓口を開設しました。住宅ローンの返済が厳しい場合は、借入期間を延長して毎月の返済額を減らすことも選択肢の1つです。住宅融資支援機構の試算によると長期固定金利型の住宅ローン「フラット35」を当初借入額3000万円、借入期間35年、金利2%で借りた人が借り入れから3年経過した時点で返済期間を15年延ばすと毎月の返済額が7.7万円と、2万円あまり減るといいます。あくまでこれは試算であり、契約者の年齢や収入、雇用状態などの条件によって最適な選択肢は異なるため、まずは相談してみましょう。

コロナ禍で住宅ローンの返済を見直す人は増えているようです。インターネットで住宅ローン相談サービス「モゲチェック」を提供するMFS(東京・千代田)では、3月の借り換え申し込みが前年同月比2倍の約400件と過去最高を記録しました。

また、新型コロナに関する支援策はお金を借りる必要がある場合にも用意されています。当座をしのぐなら、社会福祉協議会が窓口となる緊急小口資金が特例で所得制限をなくしています。減収の理由によっては20万円まで借りられます。

現在のコロナ禍が来期まで影響する可能性も

借りたお金はいずれ返す必要があります。緊急支援策で当面を乗り切るだけでなく、「これを機会に毎月の支出を見直し、家計の体質を強化しよう」とFPの藤川太氏は話します。支出に占める割合の高い通信費はプラン変更などが選択肢にあります。在宅時間が増えたことにより番組視聴などの定額利用やゲーム内課金が増えていれば、今後の家計を圧迫する可能性があるので注意が必要です。先ほど述べたように、コロナ禍の家計への影響は長引く可能性が高いです。第一生命経済研究所主席エコノミストの新家義貴氏は今夏の賞与が19年夏より4%減ると予想します。「急激な悪化が予想される20年の業績を基に決まる今冬と来夏の賞与はさらに厳しく、21年の春季賃上げ交渉にも影響しそうだ」とみています。

こうした状況ではやはり目先だけでなく、長期的な資金対策を考えコロナ禍を乗り越える必要があります。例えば不動産投資なども1つの選択肢です。本業以外に定期収入が得られるのは大きいですし、経費や減価償却によって節税もできるので戻ってくるお金もあります。コロナ禍が深刻化したとしても家を手放す人はいないでしょう。仮に入居者が家賃を払えなくなったとしても、保証会社を利用していれば家賃が入ってこないということはないので安定した投資活動といえます。不動産投資はあくまでも一例ですが、今後の不景気を乗り越えるためにはコロナ禍はすぐに収まると油断せずに対策を考えることが重要になります。

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