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日本の玄関口へ 山手線新駅「高輪ゲートウェイ」に外国人住宅も整備
12月6日の日経新聞に掲載されていた、新駅「高輪ゲートウェイ」エリアの開発に関する記事をご紹介します。
JR山手線の品川―田町間の新駅の名前が「高輪ゲートウェイ」に決まりました。
羽田空港とつながり、2027年にはリニア中央新幹線の始発駅となる品川エリア。JR東日本は高輪ゲートウェイ周辺の再開発に約5000億円を投じる予定です。東京都も国家戦略特区を活用し、外国人向け住宅の整備を後押しします。高輪ゲートウェイは2020年の暫定開業を予定しています。
駅名はJR東の選考委員会が公募で集めた6万4052件から選定しました。
得票数で1位だったのは「高輪」。高輪ゲートウェイは36票で130位でしたが、JR東は「ゲートウェイ」という言葉に「過去と未来、日本と世界をつなぐ結節点」にするとの思いを込めました。
再開発エリアの特長のひとつには羽田空港へのアクセスの良さがあります。隣接する京急電鉄の泉岳寺駅は羽田と直結。さらにJR東は28年度にも羽田と都心を結ぶ新線「羽田空港アクセス線」の開業を目指しています。新線が高輪ゲートウェイ駅を通るようになれば、羽田を通じて世界を結ぶ玄関口になります。
ヒトの交流でも外国人を受け入れる玄関口となる予定です。新駅が本格開業する2024年ごろに完成する再開発では、車両基地跡地の約10ヘクタールに超高層ビルなど4棟が立ち上がります。オフィスや商業施設のほか、国際水準のホテル(約200室)や国際会議を開くコンベンション施設を整備。なかでも注目されるのは外国人ビジネスマンらをターゲットにした約860戸の住宅です。
国際金融都市をめざす東京都。
海外から優秀な人材を呼び込むため、外国人向け住宅の整備を後押ししていきます。ホテル並みのサービスがうけられるサービスアパートメントなどの住宅の割合を増やせば、容積率を最大300%上乗せする制度を新設し、新駅周辺の再開発はその第1弾となります。400~600%だった住宅棟の容積率は約820%にまで高めて優遇します。
新しい「外国人街」には24時間英語で対応するコンシェルジュを置き、インターナショナルスクールも整備し、家族を連れて来日する外国人ビジネスマンらの住環境を整えます。
もともと再開発エリアの周辺は歴史的にも玄関口でした。ヒトが行き交う東海道が通り、簡易な関所である「高輪大木戸」は江戸の玄関口のひとつでした。
港区の武井区長は、高輪ゲートウェイという名称は「土地の歴史を踏まえた名称。新しいまちづくりへの意欲を感じる」と歓迎しました。
今回の再開発は駅と街をゼロからつくりあげる点でも高い注目を集めています。
JR東がめざすのは「エキマチ一体」。駅舎の大きな屋根や長い庇(ひさし)は、駅と街を一体化する仕掛けです。デザインを手がけた建築家の隈研吾氏は「今までは駅は駅、街は街という感じだった。街と駅が一体になって作られる活気を感じてほしい」と話しました。
駅舎やホームを木調にしたのは東京五輪・パラリンピックも意識してのことです。隈氏は「開業は20年のオリンピックイヤー。日本らしさをアピールする駅になれば」としています。
「20世紀の駅はコンクリートと鉄でできていたが、今回は木が主役。日本らしい木を感じてもらえる建物だ」と話す。20年春の暫定開業後、五輪中はパブリックビューイングも計画されています。
東京都心では山手線の主要駅周辺で再開発が相次いでいます。ただ、2000年代以降の都市再生プロジェクトの8割は東京駅など山手線の「東」に集中しているのが特徴で、今後は1960~70年代に開発された渋谷や新宿、池袋の「西」の開発が本格化していきます。高輪ゲートウェイ駅は日本の玄関口としての地位を確立できるのか、早くも五輪後の駅間競争は始まっています。