以上の条件をふまえて物件を購入するエリアは、どのエリアが望ましいのでしょうか。

価格や賃料の兼ね合いもありますので、1つの目安として参考にしてください。

近年、入居者の部屋探しは、不動産屋を回るのではなく、ネット上で目星い物件を探し問い合わせをするという方法にシフトしています。つまり、ポータルサイトの検索条件に引っ掛かることが、入居者をスピーディーに探す最良の方法です。

それをふまえて選ぶ都内物件の路線は、山手線、大江戸線、東京メトロの駅が最寄り駅になっている物件を勧めます。これらの路線は、社会人人口が多いので入居者を確保しやすいのが最大の特徴です。
入居需要
上の図のように私鉄沿線は、新宿、渋谷、池袋といったターミナル駅に行くためだけの路線で、終点のターミナル駅の需要次第で浮き沈みします。なおかつ、沿線にライバル物件が建つ可能性も大いに秘めているため、資産価値が下がる可能性が否定できないのです。

しかし、複数のオフィス街を結ぶ山手線のような環状線は、1つの駅が衰退しても他の駅の魅力で、ニーズが保たれます。例えば、山手線で一番知名度の低い「田端駅」この駅周辺物件を所有していたとします。「田端駅」が最寄り駅のサラリーマン入居者は、東京駅にも新宿、渋谷、品川、新橋など東京でもメジャーなオフィスビルに乗り換えなしで、通勤が可能です。このように複数のオフィス街を結ぶ路線は、複数のターミナル駅に乗り換えなしで通勤が可能になるため、入居需要が2倍、3倍と高まっていく傾向があります。山手線は、デメリットとして価格が高いことが知られてますが、入居需要が間違いないのは、投資家の皆様ならご理解いただけるでしょう。

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山手線の他には、大江戸線、東京メトロが狙い目

山手線に手が届かない、そんな人にお勧めなのが、「大江戸線」です。大江戸線は、東京第2の環状線として注目されている路線になります。新宿、六本木等の繁華街はもちろん、勝どき、汐留等の臨海部にあるオフィス街の企業へのアクセスも抜群です。駅のバリューとしては山手線には劣りますが、複数のオフィス街を結ぶ魅力的な路線の条件を兼ね備えています。大江戸線自体、歴史の浅い路線ですし、大江戸線開通時、特に東京の東側エリアを中心に新しく作られた駅も多く、都市の開発余地も十分にあり、今後の魅力度も増していくエリアです。

もちろん都心に向かうアクセスとしては、申し分ない条件を兼ね備えていますし、実際の家賃も9万円を超える高水準の物件ばかり目立ちます。

その他の路線では、東京メトロがお勧めです。一般的に私鉄は、相互乗り入れをしない限り、山手線の輪の中に入ることはできません。東京メトロは、都心大通りの地下を駆け抜ける路線です。すべての道の起点は日本橋。「東京都道路現況調書 平成25年度版」(東京都建設局道路管理部調べ)によると区の面積に対し道路率が高い区トップ3は、1位中央区(29.4%) 2位台東区(26.1%) 3位千代田区(23.8%)で、都心に近づくにつれ幹線道路が増え、高い建物が建ちやすくなります。ちなみに非住居地域率(区の面積から住居系の地域を引いた面積╱区の面積)が高い区のトップ3(平成27年4月1日現在)は、台東区(75.79%)、中央区(64.8%)、千代田区(61.08%)です。都心周辺はアパートが建ちやすい住居系の土地が少なくなるため、競合が減り資産の保全がしやすくなるメリットがあることも基本として覚えておいてください。

ポータルサイトの検索に引っかかりやすい物件の条件

ところで、不動産投資で一番の注意点は物件の空室とお伝えしました。そのため、よくない物件の特徴は、空室になった時にポータルサイトの検索に引っかからない物件になります。逆に比較的検索条件に引っかかりやすい物件を購入することこそが、空室期間を短くし、収益を確保するということです。これから物件の購入を検討する人は、部屋探しをしているユーザーの視点が必要とされています。

ポータルサイトを利用した場合、東京メトロの優位性を説明するとこうです。日本橋や皇居の周りに集結する幹線道路の下を走っている路線が東京メトロで、始発と終点は都心と離れたところにありますが、都心に近づくにつれて様々な路線が集結してきます。つまり、都心に近づけば近づくほど、複数の路線が使えるようになるのが東京メトロの特徴です。

ここで、実績のある具体的な例として2004年に中央区大伝馬町に建てられたワンルームマンションを説明しましょう。この物件の最寄り駅は、日比谷線の「小伝馬町」、駅から徒歩3分の駅近物件です。しかし、その他にもJR総武本線の新日本橋駅4分、東京メトロ銀座線・半蔵門線の三越前駅6分、JR山手線の神田駅9分、都営新宿線の岩本町駅10分など、10分歩けば6路線を使うことができる場所です。

そのため、この物件は、日比谷線はもちろん、銀座線、半蔵門線、総武線快速、山手線、都営新宿線といった路線にオフィスのある入居希望者から検索されることになります。当然、これだけの路線が使えれば、検索数はアップし、駅前の部屋を探しているサラリーマンの目に留まりやすくなり、空室期間を短くすることが可能です。これが都心部における東京メトロを最寄り駅にした物件のメリットになります。

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