年金は個人の運用が主流に 企業年金、確定拠出が5割超え

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10月24日の日経新聞に掲載された確定拠出年金についての最新情報をご紹介します。

従業員の年金を確定拠出型で支払う企業が増えています。
10月23日、厚生労働省は企業年金制度のある企業の内、従業員が運用手段を決める「確定拠出型」を活用している企業が、初めて5割を超えたとの調査結果を公表しました。
運用結果次第では企業側負担が重くなる確定給付型からの移行が増加しており、これまで企業任せだった年金運用が個人主導に変わりつつあります。

厚労省が5年に1度実施する企業年金の調査では、1月1日時点で3697企業から回答を得ました。
年金制度の形態を聞いたところ、2013年の前回調査と比べられる条件で確定拠出が50.6%を占め、約15ポイント上昇しました。企業があらかじめ約束した利回りで運用する確定給付型は45.0%と、約9ポイント上昇していますが、それよりも更に確定拠出が大きく上回る結果となりました。
確定拠出は従業員が預金や投資信託などから運用手段を選びます。運用が好調であれば、将来もらえる年金額を増やすことができます。信託協会などによると、運用残高は3月末時点で約11兆6600億円で、加入者は7月末時点で686万人にのぼります。
東京センチュリーやソニーなどの上場企業で確定給付から確定拠出に移行する動きが相次いでいます。

リース大手の東京センチュリーは10月、従業員約1500人に対する企業年金を完全移行しました。従業員が運用しやすいようウェブを通じた投資教育なども充実させ、会社が拠出する掛け金に加えて給与からも拠出(天引き)できる制度なども併せて導入しています。

ソニーは、OBを除くエレクトロニクス事業の社員約3万人を対象に、2019年10月を目処に確定拠出に移行します。18年度末までに対象者の3分の2以上の同意を得て厚労省への認可申請を目指します。補填金として、これまでの積立額に企業側が平均4割を上乗せします。

JR西日本は6月、正社員を対象に確定拠出を導入しました。

これまで大企業で多かった確定給付は、運用がうまくいかなかった分の補填を企業がしなければならないため財務負担が重く、確定拠出に移行しています。
負担を嫌って企業年金制度をやめる企業も増えています。導入している企業の割合は全体の29.1%と、前回調査から約5ポイント下がりました。少子高齢化に伴う財政難を踏まえ、公的年金の先細りが避けられない中、老後の生活を支える私的年金の拡充は重要な課題になっています。

厚労省は2017年に個人型の確定拠出年金(イデコ)の対象を20歳以上60歳未満の全国民に広げ、加入者が100万人を超えました。60歳代で働く高齢者が増えていることから、加入の上限年齢を60歳から65歳に引き上げることを検討しています。将来もらえる年金額を増やすには、掛け金の上限引き上げも課題です。

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