現役時代の生活水準にこだわれば老後破産に

問題は収入と支出のバランス

なぜ、老後破産に陥る人が増えたのか。その理由は、明確です。

もらえる年金が少なくなり、収入と支出のバランスが大きく崩れ、貯蓄を食い潰しているからになります。収入が支出を大きく上回れば、当然、老後破産になる心配はありません。

これまで問題なく生活できていたサラリーマンが、収入と支出のバランスを崩す原因は2つあります。

まず1つは、サラリーマン時代に得ていた生活するに不自由しなかった給料が、もらえなくなってしまったこと。もう1つは、サラリーマン時代の収入に合わせた生活水準を、定年退職後も維持し続けてしまうことです。

収入が少ないのにサラリーマン時代の生活水準を維持していたのでは生活が苦しくなるの

は当然ですし、最終的には貯蓄を食い潰してしまう可能性もあります。

例えば、年収1000万円世帯の場合、社会保険と税金を引いた現役時代の手取り年収は約768万円になります。これを12等分すると月々の収入は約64万円です。定年退職後にもらえる年金が月額約20万円だとすると、現役時代の約30%の収入で生活しなければなりません。

 

年収3分の1で生活できるか?

年収が700万円の夫婦・子ども2人の世帯では、月々の平均手取り収入は約46万円ありました。これでも、年金生活になると月々の収入は、半分以下になってしまう計算です。年収500万円の夫婦・子ども2人の世帯でも、月々の平均手取り収入は約34万円ですから、年金生活になれば現役の収入の60%程度です(※平均手取り給料の計算は年収から社会保障と税負担分を引いたものを12等分したものです)。

このように一般のサラリーマン世帯では、定年退職後の収入の柱である年金収入が現役時代の収入の3分の1から半分程度になってしまう世帯も少なくありません。収入が減ったから急に生活水準を下げろと言われても、なかなかできないのが人間というものです。

現役時代の収入とのギャップが大きいほど危険

特に注意していただきたいのは、年収が高ければ高い人ほど、今までもらっていた収入と年金収入のギャップが大きくなり、このギャップが大きいほど、生活水準を引き下げられずに老後破産に陥る危険が高いということです。

現役を引退したスポーツ選手や人気のピークを過ぎた有名芸能人などが、破産したというニュースを時々耳にすることがあります。収入があるうちは生活もうまくいきますが、引退したり人気が落ちてくれば大幅に収入は減ります。しかしながら、一度上げた生活水準を下げることは苦痛が伴いますので、そう簡単にはできないのも事実です。その結果、自己破産するというケースもあります。

スポーツ選手にとっての現役引退は、サラリーマンにとっての定年退職と同じです。つまり、今までの生活環境がガラリと変わることで、生活のスタンスも大きく変わります。

特に定年退職後は、大きく変わった生活環境に適応することが求められているのです。

大学卒業から定年まで勤め上げれば38年間の長きにわたるサラリーマン生活があるのと同様に、90歳まで生きるのであれば定年後から30年間の長期にわたるセカンドライフが待っています。

定年退職後は、預貯金が枯渇してしまえば、後は年金で生活する以外に方法はありません。定年前に自助努力をして、収入源が年金だけという生活を避ける準備を行うことが必要です。

 

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