子ども世代の非正規労働も影響が

一方、働いていない子どもの生活費まで負担することで、貯金が減少する高齢者もいます。最近では、ワーキングプアや引きこもりなどを理由に、成人以降も子どもを養わなければならない高齢者が増えてきているのが現状です。

また、競争社会が激化し、子どもが親の介護をするという、ごく当たり前のことができなくなってきているのも見逃せません。ブラック企業が蔓延し、多くの青年層が低賃金で長時間労働をしいられている中、さらに親の介護を期待するのは酷だと言えます。また、「老老介護」という子どもが60歳を超えてから親の介護をするケースも増え、介護に関する問題は尽きません。

平成26年現在では、全労働者の37・4%は非正規雇用です。サラリーマンの平均年収も下降線をたどっており、国税庁の民間給与実態統計調査によると、平成

26年のサラリーマンの平均年収は約409万円となっています。ピークだった平成9年は467万円ですから、約50万円もの開きです。社会保障を支える現役世代の所得が下がれば、社会保障の財源も確保できず、年金の引き下げも検討されることは十分に考えられます。

3つの「ない」が特徴。下流老人の割合は4割に

現在の日本は、高齢者が安心して暮らせる環境にはほど遠いうえ、高齢者があてにしていた「年金」「再雇用」「子ども」が、どれもあてにできない難しい時代になってきました。

もはや、「退職金」と「貯金」だけで老後の生活を賄うことは難しい状況です。

現在の高齢者がこういった状況ですから、これから老後を迎える現役世代は、なお危ないことが予想できます。かつては社員住宅や住宅手当など、会社の福利厚生が充実していたので、年収が400万円程度あれば貯蓄もできました。しかし、現在において年収400万円では、家族を養うだけで精一杯です。現在の30代から40代の人たちが老後を迎えるころには、下流老人(生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者のこと)の割合は4割に達するとも言われています。まさに高齢者を取り巻く環境は、八方塞がりと言っていいでしょう。

そもそも、今の年金制度が作られたのは第二次世界大戦後まもなくのことです。現在と状況が全く異なる中で作られた制度が、うまく回らないのは当然と言えます。社会保障制度を手厚くする目的であっても、増税はますます状況を悪化させるだけで高齢者にとってメリットはありません。

苦しい生活をしている高齢者は、「収入が著しく少ない」「貯蓄がない」「頼れる人がいない」という3つの「ない」が特徴です。この状況を打破するためにも3つの「ない」に対して対処法を考え、安心して生活できる環境を自助努力で作っていくことが求められています

 

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