16人に1人が老後破産状態

老後破産という言葉が有名になったのは、2014年9月28日に放送されたNHKスペシャル『老人漂流社会〝老後破産〟の現実』という番組がきっかけです。そこでは、生活保護水準以下の収入しかないにもかかわらず、保護を受けていない高齢者の現状を〝老後破産〟と定義していました。

少子高齢化が進み、年金の給付水準を引き下げざるを得ない一方、医療や介護の負担は重くなるばかりです。自分の年金だけを頼りに暮らしている一人暮らしの高齢者の中には、崖っぷちで留まっている人たちが多くいます。番組では、かろうじて崖っぷちで留まっていた人たちが、ついに崖から転げ落ちてしまう深刻な状況を伝えました。

今現在、老後破産が危惧されている65歳以上の高齢者のうち、およそ16人に1人が実際に老後破産の状態です。全国に約200万人いる独居老人に限れば、およそ3人に1人が老後破産という状況になっていると言われています。老後破産状態にある独居老人の多くは、自身が得ることのできる年金のみが生活の糧です。

今後、社会保障財源はますます厳しくなる一方ですから、このような老後破産状態にある高齢者の数は、ますます増えることでしょう。

貧困率はさらに高い

内閣府の「平成23年度版 男女共同参画白書 男女別・年齢階層相対的貧困率」(14ページ図)によりますと、高齢になればなるほど貧困率は高まっていきます。高い貧困率の世代は収入が安定しない20代の若者層と60歳以降の年金生活者で、特に65歳以上に限れば、4〜5人に1人が貧困という結果で、年金生活の現状は決して明るいものではありません。

また、総務省の平成26年家計調査報告によりますと高齢夫婦無職世帯の家計収支は、実収入が20万7347円で、可処分所得は17万7925円でした。それ対し消費支出は23万9485円です。これに税や社会保障料等の2万9422円を足すと合計で26万8907円になり、毎月6万1560円の不足分が発生することになります。

仮に65歳になった時点で、年金やその他の収入が月約21万円で、貯蓄額が1000万円だった場合、毎月不足分の6万1560円を貯蓄で穴埋めすると14年弱で底をついてしまう計算です。その結果、貧困状態に陥る可能性も十分にあります。もし、住宅のリフォームが必要になったり、予想外の支出に迫られた場合、貯金を食い潰すまでの年数がさらに短くなることが確実です。

 

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