50歳以上の「ねんきん定期便」に繰り下げ受給による増額イメージ図が追加

老後破産 年金支給額

ねんきん定期便の読み方 デメリットには触れず(老後破産は防げるのか?)

年金対策 

年金手帳イメージ 老後破産イメージ

「夫65歳、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では、まだ20年~30年の人生があるとすれば、不足額の総額は1,300万円~2,000万円に(「高齢社会における資産形成・管理」令和元年6月3日)、という金融審議会の報告書が金融庁から発表された。

これから人生100年時代を見据えて資産形成を考えるのであれば、まず最初にしないといけないのが、将来受け取る年金額を知ることです。老後破産を防ぐためにも重要です。

その第一歩が日本年金機構から毎年届く「ねんきん定期便」を参考にすることです。

ねんきん定期便は、厚生年金や国民年金の加入期間や受給額の目安が分かる通知書です。そして毎年、誕生月にハガキなどで送られてきますが、この4月からその記載内容が一部変わり、追加された部分があります。それは年齢によって形式や記載される内容が異なるようになったことです。

ねんきん定期便ハガキ50歳以上

50歳以上ハガキ ねんきん定期便~見本~ 受給開始を遅らせた場合のイメージ図が加わった(日本年金機構ホームページより)

年金受給を遅らせた場合の割増支給額イメージ図

年金受給を遅らせた場合の割増支給額イメージ

■「70歳なら最大42%増」

ねんきん定期便には、そこに載っていない情報もあり、年金額の全体を知るには不十分なので注意してください。

まず、記載のある内容は図を用いてわかりやすく説明している「70歳まで遅らせた場合に最大42%増額されること」で繰り下げ受給についての説明です。年金はもらい始める年齢を通常の65歳より遅らせる(繰り下げる)と毎年の年金額が増えることがわかります。

あと1つが年金の開始時期が60歳~70歳と選択できることの記載があり、受給開始を65歳より早めることも可能だということもわかります。

しかしながら、60歳から受給を始めた場合、年金額が最大30%減ることには触れていません。ですので、年金額の全体像が見えにくくなっています。繰り下げを選択するとしばらくは無年金となるが、働いて収入を稼ぐなどしてしのげればその後、増額の恩恵を受けられる。シニア就労時代にマッチするとして政府は、繰り下げ可能な上限年齢を70歳超へ引き上げることを検討中です。

受給を遅らせる繰り下げを選んだ場合、「人によってはデメリットが生じる可能性があるが定期便はその点に触れていないので注意したい」と社会保険労務士の永山悦子氏は話す。

例えば年下の配偶者がいると年額約39万円が厚生年金に上乗せされることが多く配偶者が65歳になるまで続く。加給年金という。だが繰り下げるとその期間中、加給年金は出なくなる。繰り下げの結果、年金収入が増えて税・社会保険料負担が増す場合もある。(出典:日本経済新聞6月8日(土)朝刊より)

 

日本年金機構は加入者の節目の年齢(35、45、59歳)に年金記録の詳細版を封書で送る。繰り下げに伴う注意点は説明しているが、イメージ図で繰り下げのメリットを強調するデザインは通常の定期便と同様です。

定期便には加入者が知りたいはずなのに載っていない情報もある。代表例が前述した年約39万円の加給年金だ。配偶者が年下で条件を将来満たしそうな人は加味して考えよう。その配偶者が65歳になると加給年金に代わって振替加算という上乗せが付くこともある。生年月日によるが配偶者に年約1万5000~22万円が生涯支給される。この振替加算も載っていない。(出典:日本経済新聞6月8日(土)朝刊より)

 

■年齢による様式違いには注意が必要

50歳未満の人に届く定期便には、50歳以上向けとは異なり、年金の「見込み額」は載っていないことに気をつけよう。記載されている「年金額」はあくまで過去の保険料納付の実績に基づいて計算した額で、今後の見込みは含まない。

ねんきん定期便(ハガキ)見本

50歳未満の場合は、過去の”加入実績”による【年金額】であって将来の見込みは含まず、50歳以上の場合は、今と同じ収入で60歳まで働いた場合に65歳からもらう【見込額】

(出典:日本年金機構ホームページより)

日本年金機構ホームページには、封書によるサンプルと見方ガイドがあるので興味あるかたはそちらをご覧ください。

https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/20190405.html

■ねんきんネットでは将来受け取る老齢年金の見込額を試算できる

日本年金機構では「ねんきんネット」というネットサービスをしています。ねんきんネットは、インターネットを通じていつでもどこでもパソコンやスマートフォンから年金記録を確認できるサービスです。電子版ねんきん定期便のサービスもあるので、パソコンにダウンロードすれば保管も簡単になるでしょう。

また、ねんきんネットでは加入者が年金額の目安を知ることができます。今後の働き方などの試算条件について、質問に回答していくことで、年金見込額を試算することができます。

ねんきんネットの利用には登録の手続きが必要で、その際に住所や氏名などの個人情報以外に「基礎年金番号」がいります。基礎年金番号は、ねんきん定期便には載っていません。年金手帳で確認する必要があります。ただし、会社員の場合は年金手帳を勤務先が管理している場合が多いので、自分の年金手帳の管理先はご自身で覚えておいたほうがいいでしょう。

ログインに必要なユーザーIDは定期便に書かれたアクセスキー(17桁の番号)を使えばネット上で取得できるが、アクセスキーの有効期間は到着後3カ月。過ぎた場合はネット上で申請してIDを郵送してもらう必要があるので注意ください。

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