複利効果で利益を最大化

利子にもまた利子がつく複利効果

物件管理の手間がかからなければ、収益面の運用効率を上げることに集中できるようになります。収益面の運用効率を上げるのに必要な考え方は、再投資です。不動産投資から得られた収益を再投資することで、複利的な運用ができるようになります。資産運用の世界では、いかに複利の効果を利用するかを重要視していて、それをうまく利用するかしないかで結果に雲泥の差が出ます。

まずは、複利とは何かについて確認していきましょう。

日本銀行情報サービス局内にある金融広報中央委員会では、複利の定義について以下のように説明しています。

「利子にもまた利子がつくこと」たとえば、元金(もともとのお金)が100万円あり、この100万円を金利2%(年利)で1年間預金したとすると、1年後には102万円になる。この場合、2万円は、元金に対してついた利子である。この2万円も含めて(つまり102万円を)再び金利2%で1年間預けると、1年後には104万円となるのではなく、104万400円となる。この400円は、利子である2万円についた利子である。このように、利子にもまた利子がつくことを、「複利」という。

長い期間でみると、複利の効果は非常に大きい。複利にするためには、利子を元金に組み入れて運用すればよい。上記の例では利子の2万円を元金100万円に加え、102万円を新たな元金としていた。

これに対して、利子を元金に組み入れない場合、「単利」となる。上記の例で、利子の2万円を元金100万円に組み入れず、100万円のみを再び金利2%で預けたとすると、1年後には104万円になる(100万円+1年目の利子2万円+2年目の利子2万円)。このような運用を「単利」での運用という。

なお、お金を借り、返せない場合、借金の利子にもまた利子がつき、複利で借金が増える。その増え方は「雪だるま」に例えられることも多い。

と説明しています。

単利と複利の違いは、100万円を年利10%で運用した場合の違いを見れば一目瞭然です。単利の場合、毎年

10万円ずつ積み上がっていくので、30年後には最初の100万円と積み上がった利息300万円の合計で400万円になり、一方複利の場合、利子が雪だるま式に増えていくので、30年目の元金は1744万円まで膨れ上がり、単利との差は1344万円まで広がります。

このように年金対策など長期間にわたる資産運用では、複利の効果を活用して収益性を上げていくことが重要です。しかし、不動産の家賃は、毎月毎月、決まった金額しか入らないので、収益の取り方としては単利に分類されます。その収益を再投資して、その収益に対してリターンを得られる状態にすることで、不動産投資は複利的な運用に生まれ変わります。そのため、物件購入後に収益を再投資し複利的な運用を目指すことで、より収益性を向上させることが重要です。

 

家賃収入を再投資すれば複利の運用になる

不動産投資において複利で運用するために行う再投資としては様々な方法がありますが、代表的なものとして以下の3つの方法があります。

①次に買う物件の頭金にする

②リフォーム・リノベーション

③繰り上げ返済する

不動産投資から得られた収益を次回に購入する物件の頭金にしていくのは、不動産投資においてはスタンダードなやり方です。購入する物件によって、頭金に対するレバレッジ効果は変わりますので、一概に具体的な数字は出せませんが、10%以上の投資効果は見込まれるでしょう。

2つ目のリフォーム・リノベーションも投資対効果はリフォームの内容により様々ですが、ここではあるオーナーのリフォーム事例をご紹介します。港区のワンルームマンションを購入後、初めて入居者が退去した時の原状回復時に、費用を追加してリフォームをすることにしたオーナーの例です。トータルの内装工事の費用28万円のうち、入居者が支払う原状回復費用13万円に自己資金15万円を足して簡単なリフォームを実施しました。リフォーム内容は、照明器具の交換や壁紙の貼替え、ドアのデザイン変更など簡単なものでしたが、リフォーム前の家賃10万8000円に対して、リフォーム後は13万円を取ることに成功しました。リフォームをすることによって、月々の家賃が2万2000円アップ。

年間収益(2万2000円×12カ月=26万4000円)を自己資金15万円で割って計算すると費用対効果は176%という高い数字になりました。2万2000円を7カ月得ることができれば、15万4000円になり出費は回収でき、その家賃が続くまでの間は、まるまる収益です。

このようにリフォームは、高い収益性をはじき出すことが多いので、こまめに投資を考える必要があります。しかしながら、投資できる金額も少額で、タイミングも退去時に限られるため原状回復の度にコツコツ行うことが成功の秘訣です。

3つ目の繰り上げ返済は、費用対効果は低いケースが多いですが、自分のタイミングでできるところがメリットになります。借り入れが2000万円で金利2%、借入期間35年の場合、100万円を繰り上げ返済すると毎月の支払いは約5000円の削減が可能です。これを年間の費用対効果として考えると、削減した年間の支払い額6万円(5000円×12カ月)/100万円という計算式になり、年間約6%の投資効果が見込めます。

以上のような方法で収益を再投資することで、毎月のキャッシュフローが増えます。複利的な運用のコツは、とにかくコツコツ再投資を行うことです。その効果について検証してみましょう。

 

物件購入時の頭金500万円にレバレッジをかけ、年間10%の収益である50万円を繰り上げ返済に使った場合の費用対効果を算出したものです。そして、毎年のキャッシュフローを繰り上げ返済に充て、30年間の推移を表にしました。毎年、繰り上げ返済を行うので、キャッシュフローは年々増えていきます。毎年得られるキャッシュフローだけを再投資し続けると、5年目には頭金500万円に対し60万円のキャッシュフローを得ることができ、費用対効果は12%に。これを繰り返し行うと10年後の費用対効果は15・2%、20年後は27・6%、30年後には81・8%になります。厳密に言うとここまで頑張れば、物件のローンは返済しきっていますが、シミュレーションとして参考にしてください。複利の効果を理解して頂けると思います。

収益性は「キャッシュフロー」÷本当に使ったお金(自己資金-回収資金)」で計算

このように収益を長期的に再投資することで、収益性は大幅に向上します。そして、長期運用を考えるなら、複利を使い収益性を向上させることで、高リスクの商品に手を出さなくても目標は達成できるため、資産運用のリスクを大幅に削減することも可能です。

その時点での収益性を計算するために、年間のキャッシュフローを本当に使ったお金(自己資金-回収資金)で割った金額をその都度計算し、分析することをお勧めしています。

例えば上の図のように、年間のキャッシュフロー70万円を本当に使ったお金の220万円(自己資金500万円-回収資金280万円)で割ると、その時点での費用対効果は31・81%です。これが100%に近づくと、投資効率が高くなることを意味しています。しかし、100%に近づけば近づくほど、再投資をしていないという状態になりますので、一概に良いとは言えません。現役時代は、再投資を繰り返し年間のキャッシュフローを増やすことを考える必要があります。しかし、定年退職後は、回収のフェーズに移行することが重要です。回収資金が自己資金以上になるように運用していきましょう。回収資金が自己資金を上回れば、不動産投資で得をしたということです。

マンション経営では、物件購入のタイミングでレバレッジ効果を使い自己資金を10%以上で運用し、その収益を再投資することで複利的な運用を行うことが成功の秘訣となります。中古ワンルームマンションを選択することで運用における労力を限定的にし、収益を向上させることだけに注力することができれば、不動産の知識がないサラリーマンでも年金+αの収入源を作ることができるでしょう。つまり、物件の利回りで判断し、購入を決めるのではなく、Jリートのように物件のリスクは抑え、レバレッジや再投資といった運用テクニックで収益性を向上させることが賢いやり方です。

 

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