なぜ?売るのかを知ることが大切

購入時のプラン通りに長期的な運用をすることが、マンション経営のポイントです。そのためには、家賃の下がりづらい立地のワンルームマンション、つまり2000年からワンルームマンション規制のできる2007年の間に建った中古マンションをセレクトすることが重要だと伝えました。

とはいえ、中古物件を購入することに不安を覚える人もいるでしょう。しかし、中古物件を購入前にチェックするポイントさえ押さえておけば、不安もなくなります。中古物件を購入する際の最大の注意点は、前所有者が物件を売却する理由を予測することです。

ワンルームマンションの場合、売却するパターンは大きく3種類。「損切り」「空室」「管理費・修繕積立金の値上げ」になります。この点をクリアにすれば、購入しても問題ない物件と言えるでしょう。それを確認するには、その物件の登記簿謄本、賃貸履歴、重要事項調査報告書の3点を見ることが欠かせません。

 

切りかどうかは登記簿で確認

まずは、「損切り」についてです。マンション経営がうまくいかない人の理由の1つとして、物件の収支が赤字になっているという点が挙げられます。2000年前半の新築ワンルームマンション購入者のほとんどが、毎月の収支が赤字です(頭金をたくさん入れている人は別ですが)。

その理由としては、当時の融資金利が3%を超える水準だったことと、新築時の家賃から家賃が下落しているため収支がマイナスになっていることの、2つが挙げられます。

もし、毎月のマイナスが1万5000円だった場合、35年間で630万円の赤字です。

この所有者のローンの残りが、1800万円で、売却価格が1600万円だった場合、35年間保有することとの損失を比較して、200万円の損失で済む方の売却を決意するかもしれません。このように、大きな損をする前に損を確定し売却することを「損切り」と言います。逆にこの物件を今、1600万円で買えば、1%台の低金利で購入できるため、毎月の収支はプラスになることがほとんどです。つまり所有者が変わることで、マイナス収支だった物件がプラス収支に変わるケースが多いのが、築浅ワンルームマンションの特徴になります。

前の所有者がどういう状態で物件を持っているかを把握するために、必要なのが登記簿謄本です。登記簿謄本には、所有者のローンの額と金利が掲載されており、前所有者の収支状況がある程度把握できます。前所有者の収支が赤字のため損切りで売却する場合、物件そのものには問題がないため購入しても良い物件と言えるでしょう。不動産投資で中古物件を購入する場合、前所有者がなぜ売るのかを予測することが、非常に重要です。逆に、なぜ売却するのかわからない状態の物件は、何かしら瑕疵が隠れていると考えておいた方が良いでしょう。

一棟物件やアパートは、新築時の分譲価格や管理の状態・賃貸履歴などのデータが見えにくいので、細心の注意を払って調査する必要があります。中古一棟物件や中古アパートの場合、購入後の修繕もあらかじめ見込んで購入しておくことが望ましいでしょう。

 

空室や管理費等の問題はこうして調べる

「損切り」に加えて、「空室」や「管理費・修繕積立金の値上げ」が複合的に絡んで売却を決意する売主が多いのも現状です。家賃が適正なのか、どのような管理がされていたのかを調べるのに必要なのが、賃貸履歴と重要事項調査報告書になります。ワンルームマンションの場合、アットホームなどのポータルサイトで過去の家賃推移が確認できます。不動産業者に頼んでそういった情報を取り寄せることも重要です。

そして、今までどのような管理がされていたのかを調べるために必要なのが、重要事項調査報告書になります。管理費や修繕積立金が値上がることや、現在までのメンテナンス状況、修繕積立金の総額などが載っている非常に重要な書類です。

中古物件を買う時には、登記簿謄本、賃貸履歴、重要事項調査報告書をしっかりと確認してから購入するようにしましょう。

ワンルームマンションは所有者の収支状況が悪化することで、物件が売却されることがほとんどです。しかし、一棟物件の場合は高度な駆け引きがあり、知識が無い人がこのマーケットに参入すると痛い目に遭うこともあります。

中古ワンルームマンション市場は買主が有利

下の図のように、一棟物件の取引市場とワンルームマンションの取引市場とでは大きく状況が異なります。

基本的に中古物件の取引市場は、片方が得をし、片方が損をするという構造になっています(まれに両方が得するケースもありますが)。

そして、市場規模が大きくなればなるほどプロが参入してきます。これが、一棟物件の取引市場です。売主が儲かるのか、買主が儲かるのか、駆け引きが存在するのがこの市場で、何も知らない人が参入することによって、突然修繕が必要になる物件を購入したり、購入した途端に空室が増えたりといったトラブルが多発しています。アパートや一棟物件は、売主が何かを隠そうと思ったら、隠せる市場です。それを見抜けない人が、ババ抜きのように問題物件を購入して後悔しているケースをよく見ます。

一方で、ワンルームマンションの市場は、シンプルで、新築のワンルームマンションを購入後に、家賃が下がったことによって収支が赤字になり、「損切り」して売却するケースがほとんどです。つまり、この市場は、買主が有利な市場になります。買主が有利な市場であれば、プロが参入してきそうなものですが、プロにとって2000万円程度のワンルームマンションは小さい取引のため、調査の時間対効果が悪くてなかなか参入してきません。

しかし、個人の資産運用として2000万円前後のワンルームマンションは、十分高価なものであり、リターンも個人として考えれば十分なメリットがあります。これからマンション経営を始めるオーナーにとって勝ちやすい市場で戦うことこそが、大切なことです。そして、購入するに当たり資料を集めやすい透明性の高いマーケットである区分マンションを選ぶことこそが、後悔しない賢いやり方と言えるでしょう

 

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