不動産投資失敗の3大理由 ~空室リスク~

家賃8万円以上の部屋で空室リスクを回避

入居者を社会人に限定する理由

第3章で東京は単身者が増えているのに、ワンルームマンション規制のために供給が制限されていると説明しました。2015年の国勢調査でも前回(2010年)に比べ人口が増えたのは東京だけで、23区は5年間で32・7万人が増えていると発表されました。もちろん、都心を選ぶ理由は、その他にもあります。それは、入居者のターゲットをサラリーマン、つまり社会人に限定するためです。その理由について説明します。

まず、学生向けの物件は、通学するキャンパスが変わる2年、大学卒業の4年で退去することが多く、入居者の入れ替えが激しくトータルの空室期間が増えます。そして、134ページの図のように築年数の経過した風呂・トイレ一緒の3点ユニットの物件は、社会人になり生活が安定し収入が増えた段階で満足できなくなり、風呂・トイレ別の部屋や会社から近い物件など、よりグレードの高い物件に住みたいという理由で退去される傾向にあります。そこで、選ぶべき空室になりづらい物件とは、具体的に言えば家賃を8万円以上に設定できる、社会人をターゲットにしたグレードの高いワンルームマンションです。

バブル崩壊後(1995年以降)の都心ワンルームマンションは、家賃が8万円以上に設定されています。

20㎡(平方メートル)のワンルームマンションは、坪に直すと6・06 坪で、家賃が8万円だった場合の坪賃料は、1万3200円です。このマンションに毎月1万5000円の経費がかかった場合、実質賃料は6万5000円で、実質の坪料は1万726円になります。手元に賃料を残すなら、実質の坪料は1万円以上がのぞましいため、家賃8万円以上のワンルームマンションを選択することが必要です。

そもそも、入居者の大きな退去理由は、「転勤・就職」「ライフスタイルの変化」「部屋に満足していない」という3つの理由。

そのうち「転勤」による退去は、ものづくりの機能が海外中心になった今、地方工場の閉鎖や地方縮小で転勤そのものが少なくなっています。また、晩婚化の影響でワンルームマンションに住む期間も長期化。

23区の合計特殊出生率は全国でも下から数えた方が早いのですが、都内への人口流入が多いため、子どもは増加傾向です。その子どもが成人になり、住宅事情から一人暮らしするケースや離婚率の上昇で再度シングルになるケースも多いため、都心のワンルームマンションのニーズは増え続けています。

ですから、第3章までに説明してきたような条件で立地をきっちり選べば、「転勤」「ライフスタイルの変化」といった理由で空室になる可能性は大幅に軽減でき、部屋に満足してもらうことができれば、空室は大幅に減らすことが可能です。

住宅手当があるので8万円も高くない

一般的に大企業の多くは住宅手当を用意しているため、その制度を利用している社会人は、家賃が8万円以上と高くても実質の負担は少ないのが現状です。大学生向けの物件が親や自分で家賃を支払わなければならないのと対照的に、社会人は会社からの補助もあるために少ない自己負担でグレードの高いマンションに住むことができます。また、住宅手当は住み替える度に会社へ申請する必要があるため、特別な理由がなければ再度申請を行う手間を考えて、同じ部屋に住み続けるケースが多いのも特徴と言えるでしょう。つまり、入居している部屋に満足してさえいれば、転勤や結婚などがない限り引っ越す理由もないため長期の入居に繋がります。

そのため、サラリーマンが通勤するオフィスに近いエリアで、マンション経営を行うことこそが「空室」を回避する一番の方法と言えるのです。

 

 

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