浮上する70歳定年制 人手不足で「高齢」問い直す 骨太の方針

老後破産 70歳定年

6月15日の臨時閣議で、政府は2018年の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)や成長戦略を決めました。
その中で焦点となったのが人手不足への対応策で、外国人労働者の受け入れ拡大と共に65歳を超えても健康な高齢者へ白羽の矢がたちました。
それは働く意欲を削ぎかねない年金の仕組みを見直し、長く働く人を増やして人手不足を補う方針で、骨太に打たれた高齢者活用の布石を読むと、「70歳定年制」が視野に入ってきました。

2012年末に安倍政権が発足してから6回目となった今回の骨太の方針。
首相の意向として「65歳以上を一律に高齢者と見るのは、もはや現実的ではない」という1つの文言が盛り込まれました。
景気回復が6年目に入り、日本経済は人手不足という構造問題が浮き彫りになっています。生産年齢人口と呼ばれる15~64歳の人口は2017年に7604万人と、13年に比べて335万人減りました。
一方で65歳の平均余命が【男性19.55年】【女性24.38年】もあることから、「退職してから20年近く年金をもらう構図では、現状の社会保障制度は成り立たない」(BNPパリバ証券の河野氏)とする声が上がっています。

高年齢者雇用安定法で65歳までの希望者の継続雇用が定められ、60~64歳の就業率は2017年までの5年で8.5ポイント上がりました。
その一方、65歳以上で働いていない人は17年度までの4年間で143万人増えている状況を踏まえ、大和総研の長内氏は「65~69歳にも同じ引き上げ効果を出せれば就業者が80万人程度増える」と試算します。健康な高齢者は、成長に欠かせない潜在的な労働力だ。

4月の首相官邸・・・「分配は結構やったよね。もう一度、成長戦略のネジを巻き直したい」。安倍晋三首相が内閣府幹部に飛ばした指示をもとに、各省庁は動き出しました。
厚生労働省は4月、「働く高齢者に適した制度作り」を大きな課題に、社会保障審議会の部会で年金制度の見直しを開始しました。
現在、年金は原則として65歳からもらうことができます。受給開始を70歳まで延ばせる今の仕組みから、更に70歳超も選べるようにし、具体的な割増率などを検討していきます。
働いて一定の収入がある高齢者の年金を減らす「在職老齢年金」も見直す方針が骨太に盛り込まれました。今の方針では65歳以上の月収と年金月額の合計が46万円を超えると年金が削られるため、働く意欲をそぐとの批判が出ています。
菅義偉官房長官は今春、企業のさらなる定年延長を視野に入れた対策の検討を指示しています。「公務員の定年を65歳に上げるのに伴い、民間で何ができるのかを検討してほしい」。
厚労省によると、この動きを受け定年を廃止したり65歳以上に設定したりした企業は、2017年6月時点で19.6%ありました。ただ、前年比の上昇幅は0.9ポイントと広がりには欠けます。
日本総合研究所の西沢氏は「企業の雇用体系はフルタイムで働く現役世代を想定しており、高齢者が働く場をなくしている状態でもある」と話しました。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、2050年には世帯主が85歳の世帯のうち、約50%で金融資産がなくなると試算しました。
65~74歳の間に働いて1000万円の所得を得ると、この比率は31.4%に下がります。長く働くことは年金に頼らない人生設計にも欠かせないのです。

人手不足への対応を成長戦略の柱にする首相の意向は、労働市場にもう1つの波をもたらします。
それは、外国人労働者の受け入れです。2017年度の有効求人倍率で見ると【介護は3.72倍、建設が4.16倍】と、現場の仕事は人手不足が深刻です。
骨太には、建設や農業など単純労働で門戸を開くための新たな在留資格の創設を盛り込みました。
首相は「移民政策はとらない」と繰り返すが、骨太には「在留期間の上限を付さず、家族帯同を認める措置を検討する」とも明記しました。

ただ、高齢者活用も外国人の受け入れも制度設計は難航するとみられています。
定年延長は企業の負担が重く、日本商工会議所は「若い世代の活躍を阻害しない配慮も必要で、定年を一律に引き上げるなどの対応には反対」との立場を示しています。
外国人は単純労働分野で入国した人にも永住許可を広げるような仕組みだと、慎重論が強まることが想定されます。
労働政策の見直しは労使の意見調整が欠かせず、実現には強い推進体制が必要なものです。
看板倒れになれば、金融緩和と財政出動だけが突出した「2本の矢」として記憶されることになってしまうことでしょう。

以上、70歳定年や外国人労働力に関するニュースでしたが、いかがでしたでしょうか。
人生100年時代となれば、70歳で定年したとしても30年のセカンドライフがあることになります。
はたして本当に70歳まで健康で毎日働くことができるのか?という問いに確実な答えを持っている人は一人としていません。
体が動くうちに旅行や趣味を楽しみたいという人も多いことでしょう。
待ち受ける長い長いセカンドライフのために、現役時代から準備をしておきたいものです。
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