寄せられた相談からわかる不動産投資のポイント ◆売却できない不良債権化した物件編◆

収支が赤字でも売却益でカバーできるという誤り

不動産投資のデメリットの1つに流動性が低いことが挙げられます。これがもとで、失敗されている人も多いのが現実です。不動産投資で失敗する人の特徴として、バブル期の不動産投資がわかりやすい例として挙げられますので、ご紹介したいと思います。バブル期の不動産投資は、家賃収入を安定して得るインカムゲイン目的ではなく、物件を売却することでキャピタルゲイン(売却益)を得ていくという手法です。

そのため、毎月の収支は赤字、それを売却益でカバーするというスタイルになります。

もし、1億円の物件を金利10%で、35年間ローンを組むと支払いは約78万円です。当時のワンルームマンションの家賃平均は約12 万円ですから、毎月約66万円の支払いをしなければなりません。それでも、1年後に2000万円の売却益を確保できれば、儲かるという算段です。

物件価格が上がっている局面では、毎月の収支が赤字でも何とかやっていけますが、バブルが崩壊して物件価格が大幅に下がってしまうと大変で、売却したいけど売却できずに赤字のまま不動産投資を継続せざるを得ない状況に陥ります。そうすると毎月の赤字を払い続けなければなりません。そのうち預貯金が底をつき、ローン地獄になり自己破産に陥るという結末を迎える人が多く生まれました。

これが、バブル期における不動産投資失敗の特徴です。

これはバブル期における不動産投資だけでなく、不動産投資の失敗事例は、ほぼここに集約されます。

「収支が赤字」「売却したいけど売却できない」「赤字のまま不動産投資を継続することで、支払いきれずに自己破産」こういった流れが、不動産投資失敗の特徴です。

 

流動性の低い物件はリスクが高い

ここで注意したいのは、収支が赤字にさえならなければ不動産投資が失敗することは、ほぼないということです。収支が赤字になる原因は、大きく①空室時のローンの支払い②家賃の下落③運営コストの上昇④修繕コストの上昇、といったところでしょうか。つまり、空室になりづらく家賃の下落がしづらい物件、かつ修繕の範囲が限定されている物件を選ぶことが重要なポイントです。

もう1つ注意したいのは、万が一、売却しようと思った時にすぐ売却できる物件を所有することが大切になります。投資というのは、やめることができることも非常に大事な要素。不動産投資において言えば、自分が売りたいとなった時に購入してくれる人がいないと、売却できずにやめられないということになります。

ここが大きなポイントで、都心のワンルームマンションであれば金融機関も融資額が比較的少額のため融資してくれる確率は上がりますし、サラリーマンであれば誰でも購入できる開かれたマーケットなので、不動産の中では流動性が高い物件です。しかしながら、アパートや一棟物件の場合、数千万円から数億円という規模になり最低でも数百万円の頭金が必要とされるので、参入できる人も限られております。しかも一棟物件を購入される人は、不動産投資に精通されている人なので、自分が得をしないと購入してくれないケースがほとんどでしょう。もし仮に、一棟物件を所有して収支が赤字になった場合に、ローンの残債が売却相場より残っていたとしたら損切りしてやめることも難しいと言えます。

そうなると、売却できずに赤字を払い続けることで物件が不良債権化していきます。そして体力が奪われて、自己破産という結果に陥ることでしょう。

出口を考えた不動産投資が肝心

一方、ワンルームマンションの場合であれば、新築で購入したとしても損切り(ローンの残債から売値の差額分を自分で負担すること)する額は、100万~300万円程度の支払いで済むことがほとんどで、それぐらいの金額であれば、一般のサラリーマンでも支払うことが可能です。もちろん、こういった状況に陥らないことが大事ですが、最悪の場合、売却して終わるという選択肢も見据えなければなりません。

ここで言いたいことは、自分が持っている物件を売却しようとした時に、次の購入者が買いやすいマーケットであることが非常に重要だということです。当然、頭金が少額で始められるワンルームマンションの方が、次の購入者が買いやすい状況が整っているので、物件を手放しやすくなるのは明白。損切りした物件を、相場価格で購入した次のオーナーが、うまく運用できるケースは多々あります。

不動産投資は終わり方をイメージすることも非常に大切な要素で、目先の収支を重要視するばかりで終わり方をよく考えておかないと、不良債権化した物件をいつまでも所有することになりますので、大きな注意が必要です。

 

関連記事

ページ上部へ戻る